147 – 参 – 予算委員会 – 13号 平成12年03月17日
平成十二年三月十七日(金曜日)
午前九時開会
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委員の異動
三月十六日
辞任 補欠選任
岡 利定君 岩城 光英君
釜本 邦茂君 木村 仁君
野間 赳君 脇 雅史君
小川 敏夫君 本田 良一君
櫻井 充君 角田 義一君
池田 幹幸君 須藤美也子君
富樫 練三君 小池 晃君
入澤 肇君 田村 秀昭君
石井 一二君 西川きよし君
三月十七日
辞任 補欠選任
角田 義一君 江田 五月君
田村 秀昭君 入澤 肇君
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出席者は左のとおり。
委員長 倉田 寛之君
理 事
竹山 裕君
長谷川道郎君
保坂 三蔵君
溝手 顕正君
伊藤 基隆君
峰崎 直樹君
荒木 清寛君
笠井 亮君
照屋 寛徳君
委 員
市川 一朗君
岩城 光英君
大野つや子君
木村 仁君
岸 宏一君
北岡 秀二君
久野 恒一君
国井 正幸君
小山 孝雄君
鴻池 祥肇君
斉藤 滋宣君
谷川 秀善君
中島 眞人君
脇 雅史君
浅尾慶一郎君
江田 五月君
木俣 佳丈君
久保 亘君
竹村 泰子君
角田 義一君
直嶋 正行君
堀 利和君
本田 良一君
魚住裕一郎君
松 あきら君
山本 保君
小池 晃君
須藤美也子君
宮本 岳志君
清水 澄子君
三重野栄子君
入澤 肇君
田村 秀昭君
高橋 令則君
奥村 展三君
松岡滿壽男君
西川きよし君
国務大臣
内閣総理大臣 小渕 恵三君
法務大臣 臼井日出男君
外務大臣 河野 洋平君
大蔵大臣 宮澤 喜一君
文部大臣
国務大臣
(科学技術庁長
官) 中曽根弘文君
厚生大臣 丹羽 雄哉君
農林水産大臣 玉沢徳一郎君
通商産業大臣 深谷 隆司君
運輸大臣
国務大臣
(北海道開発庁
長官) 二階 俊博君
郵政大臣 八代 英太君
労働大臣 牧野 隆守君
建設大臣
国務大臣
(国土庁長官) 中山 正暉君
自治大臣
国務大臣
(国家公安委員
会委員長) 保利 耕輔君
国務大臣
(内閣官房長官)
(沖縄開発庁長
官) 青木 幹雄君
国務大臣
(金融再生委員
会委員長) 谷垣 禎一君
国務大臣
(総務庁長官) 続 訓弘君
国務大臣
(防衛庁長官) 瓦 力君
国務大臣
(経済企画庁長
官) 堺屋 太一君
国務大臣
(環境庁長官) 清水嘉与子君
内閣官房副長官
内閣官房副長官 松谷蒼一郎君
政務次官
外務政務次官 山本 一太君
大蔵政務次官 林 芳正君
文部政務次官 河村 建夫君
厚生政務次官 大野由利子君
農林水産政務次
官 金田 勝年君
運輸政務次官 鈴木 政二君
郵政政務次官 小坂 憲次君
郵政政務次官 前田 正君
自治政務次官 橘 康太郎君
総理府政務次官 長峯 基君
総務政務次官 持永 和見君
防衛政務次官 依田 智治君
防衛政務次官 西川太一郎君
科学技術政務次
官 斉藤 鉄夫君
沖縄開発政務次
官 白保 台一君
政府特別補佐人
内閣法制局長官 津野 修君
公正取引委員会
委員長 根來 泰周君
事務局側
常任委員会専門
員 宍戸 洋君
政府参考人
内閣官房内閣内
政審議室長 竹島 一彦君
警察庁長官 田中 節夫君
総務庁行政監察
局長 東田 親司君
郵政省電気通信
局長 天野 定功君
自治省税務局長 石井 隆一君
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本日の会議に付した案件
○委嘱審査報告書に関する件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成十二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
議院送付)
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<電通審の答申を自民党がくつがえした>
宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
小渕首相の古川秘書官をめぐるドコモ株問題について、古川氏が所有しているNTTドコモ株が今日三十億円と言われる資産になった経緯について質問いたします。
まず郵政省、一九九〇年三月二日に出された電気通信審議会の答申で、「講ずるべき措置、方策」、五点はどのようなものでございましたか。
政府参考人(天野定功君) 先生、平成三年とおっしゃいましたが、平成二年でございますが、三月二日の電気通信審議会、「日本電信電話株式会社法附則第二条に基づき講ずるべき措置、方策等の在り方」の答申につきまして、御指摘の点を読み上げます。
五つございますが、まず第一に「長距離通信業務を市内通信部門から完全分離した上で、完全民営化する。」、二番目が「市内通信会社の在り方は今後の検討課題であるが、当面一社とする。」、三番目が「移動体通信業務をNTTから分離した上で、完全民営化する。」、四番目が「業務分離の円滑な実施等のための所要の措置を講ずる。」、五番目が「以上の措置は、株主、債権者の権利確保に十分配慮しつつ行う。」、以上五項目でございます。
宮本岳志君 ただいま読み上げていただいた第一のNTTの分離・分割はそのとき答申どおり行われましたか。
政府参考人(天野定功君) お答え申し上げます。
これは行われておりません。
宮本岳志君 どういう理由で行われなかったんですか。
政府参考人(天野定功君) 政府側におきまして関係者の意見が合意できなかったわけでございます。
宮本岳志君 三月三十日の政府決定で電通審の答申が覆されたと。分割問題は五年間の先送りとなりました。これは自民党の意見を取り入れたものではありませんか。総理、いかがですか。自民党の意見を取り入れたものじゃないですか。
国務大臣(八代英太君) これは関係者いろいろの意見も含めまして、そして今、局長が答弁したような経緯になっている、こういうことでございます。
宮本岳志君 総理にお伺いをいたします。この政府決定に先立ち自民党決定はございましたね、いかがですか。
国務大臣(八代英太君) これは、このことの経緯につきましては、自民党はもとより、当時の社会党それから共産党さんも含めて、こういう各党への御説明をしていろいろな御意見を伺ったという経緯は私どもは承知しております。
宮本岳志君 つまり、自民党の意見も受けて政府決定を行ったということです。
<決定的な政策選択を小渕氏が行った>
宮本岳志君 この決定を行った九〇年三月の時点で、そのとき小渕総理は自由民主党の電気通信問題調査会の会長だったことは間違いないですね、総理。
国務大臣(小渕恵三君) 自民党の決定をしたというふうに共産党の方でお決めいただきましても、私もすべて思い出しておりませんけれども、そのときといいますか、何年から何年までというのはちゃんと……
宮本岳志君 九〇年三月の時点。
国務大臣(小渕恵三君) 九〇年の三月に党の電気通信問題調査会長ですか、されて、多分おったと思いますけれども。
宮本岳志君 これが実は重要な問題であります。この流れの中から、NTTから移動通信部門を切り離して完全民営化した上、全国九つに分割をして地域の受託会社と一体化させるということが出てまいりました。この経緯についてあなたが関与していたかどうか、これは重大な問題であります。これは秘書官の問題ではございません。
ここに九〇年六月号の月刊通信ジャーナルという業界誌がございます。「NTT見直し論議は効果あり」という、小渕総理、あなたのインタビューが出ておりますが、あなたはNTT分割問題を五年後に先送りする自民党見解を決定した党電気通信問題調査会の会長として紹介されて、得々とその経緯を語っております。このインタビューの存在はお認めになりますね。(資料を手渡す)
国務大臣(小渕恵三君) 当時、こうした議論のあったことはこの文書によって多分そうであったと思っておりますけれども、この電気通信問題調査会のそのときどういう決定をしたかということを定かに記憶しておりませんが、いずれにしても、その調査会そのものは私自身が決定をするということではありませんで、合議のもとにされておったものと、多分間違いないと思います。
宮本岳志君 顔写真まで載っているわけですからね。
ここに、一九九〇年四月九日付の業界紙、通信文化新報がございます。ここには、「自民党電気通信問題調査会政策小委員会などが中心になって大蔵、郵政両省と協議、分割五年間凍結などを軸とする自民党の対応措置を固め、これをベースに政府措置が決定した」とはっきり書かれております。
調査会長であるあなたの関与は明白じゃないですか。総理。
国務大臣(小渕恵三君) どの新聞かは存じませんが、そこに書いてあることがすべてであるかどうかわかりませんが、私はそのことについて十分な記憶がございません。
宮本岳志君 この問題にかかわって、この当時、調査会長であったということはお認めになったわけでしょう。
そして、その調査会がこういう決定に先立ってその方針を固めた、こう報道されているわけであります。問題は、このとき総理がどういう役割、どういう関与をしたかということだと思います。
それで、なぜここが問題になるかということで、私はぜひ郵政省にお伺いをしたいんです。翌一九九一年二月二十日、郵政省から「日本電信電話株式会社の移動体通信業務の分離について」との文書が出されております。
郵政省、この本文の二を括弧内も含めて読んでください。
政府参考人(天野定功君) それでは、平成三年二月二十日、日本電信電話株式会社の移動体通信業務の分離につきまして、二を読み上げます。
「この移動体通信業務の分離は、「日本電信電話株式会社附則第二条に基づき講ずる措置」(平成二年三月三十日政府決定。)の一項目として、その具体的な実施方法について、昨春以来、郵政省とNTTとの間で検討を続けてきたものです。」
以上でございます。
宮本岳志君 つまり、先ほどの政府決定に基づいて、この二月二十日の基本的枠組みが決められたものであります。
では、郵政省、続いてこの文書の別紙二と五を読んでください。
政府参考人(天野定功君) それでは、まず別紙の二でございますが、「会社形態 新会社への移行は、中核となる会社とその子会社である地域会社による地域別運営に移行することを前提として行うものとする。また、その地域割りは社会経済圏、現在の受託会社の業務区域、移動体系新事業者の業務区域等を勘案して決定することとし、全体で十社程度とする。」
次に、五でございますが、「受託会社の扱い 移動体通信業務の一部を委託している現在の受託会社については、新会社と地域毎に一体化を図るものとする。」
以上でございます。
宮本岳志君 ここで今日のドコモ株になる決定的な決定がされているわけであります。
あなたは、九〇年三月はもちろん、この決定がなされた九一年二月の時点でも調査会の会長職にございました。以上のとおり、古川株がドコモ株三十億になった経緯の中で、あなたが関与していた事実は明らかだと思うんです。
これはあなた自身の問題ですから、我が党は今後ともこの問題を厳しく追及していくということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。