147 – 参 – 交通・情報通信委員会 – 18号 平成12年05月18日
平成十二年五月十八日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
内藤 正光君 久保 亘君
田名部匡省君 岩本 荘太君
五月十八日
辞任 補欠選任
中曽根弘文君 森田 次夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 齋藤 勁君
理 事
景山俊太郎君
釜本 邦茂君
簗瀬 進君
弘友 和夫君
渕上 貞雄君
委 員
岩城 光英君
鹿熊 安正君
鈴木 政二君
田中 直紀君
野沢 太三君
森田 次夫君
山内 俊夫君
久保 亘君
谷林 正昭君
吉田 之久君
日笠 勝之君
大沢 辰美君
宮本 岳志君
岩本 荘太君
戸田 邦司君
国務大臣
運輸大臣 二階 俊博君
郵政大臣 八代 英太君
政務次官
運輸政務次官 鈴木 政二君
郵政政務次官 小坂 憲次君
事務局側
常任委員会専門
員 舘野 忠男君
政府参考人
警察庁交通局長 坂東 自朗君
国土庁地方振興
局長 芳山 達郎君
運輸省運輸政策
局長 羽生 次郎君
運輸省鉄道局長 安富 正文君
運輸省自動車交
通局長 縄野 克彦君
労働省労働基準
局長 野寺 康幸君
自治省財政局長 嶋津 昭君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○電子署名及び認証業務に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
タクシーと乗り合いバスは、生活に欠かすことのできない住民の足であり、極めて公共性の高い公共交通機関であります。規制緩和の名のもとにそのすべてを市場原理に基づく競争や事業者の自主的判断にゆだねるべきではありません。
まず、タクシー事業についてです。
需給調整規制を廃止すれば、タクシー事業に大混乱を招くことは明白です。なぜなら、この間、規制緩和計画を進めた結果、運輸省の需給判断の基準に基づいても数倍の供給過剰となっているではありませんか。
さらに、今度の法改正により供給過剰は極めて深刻な状況に陥ることは明らかです。そのことにより、中小事業者はもちろん、労働者の長時間過労運転、低収入など、直接影響を与えることにならざるを得ません。その結果、利用者国民に安全、サービス上、多大な問題が生じることになります。
それだけではありません。供給過剰の歯どめだとする緊急調整措置も、実効性が疑わしいからであります。利用者の安全や利便に問題があると判断されるまでは発動されることはなく、仮に発動されたとしても減車の措置は行われません。つまり、著しい供給過剰になり、事業者がばたばたと倒産し、それに伴い労働者が路頭に迷うような事態になっても発動されないことも明らかになりました。こうしたことは絶対に認めるわけにはいきません。
次に、バス事業についてです。
審議で明らかになったように、この十年間で七万八千キロという途方もない路線の廃止が進められています。その上、規制緩和することにより廃止に拍車がかかるのは火を見るより明らかです。このことは運輸政策審議会での資料で明白になりました。
規制緩和による需給調整が廃止された場合、全国のバス系統の二〇%に当たる七千七百二十六系統も廃止希望が出されていること、やむなく継続、いわゆる廃止予備軍も合わせると、約半分近くも占めることになります。このように、今度の規制緩和は公共交通機関を崩壊させるものであります。
そればかりではありません。同じ資料の中で、規制緩和を実施した場合、営業収支は悪化し、最大で黒字系統がゼロになり、赤字額が倍になるとまで言い切っています。
なぜ、こんなことまで明らかになっているにもかかわらず強行しようとするのでしょうか。まさにバス行政の自殺行為ではありませんか。断じて認めるわけにはいきません。
以上が法案に対する反対の理由であります。
最後に、本法案は道路運送法の根幹を変えるものであります。にもかかわらず、六時間余りなどという短時間審議で押し切ることに厳しく抗議して、討論を終わります。