154 – 参 – 総務委員会 – 6号 平成14年03月26日
平成十四年三月二十六日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
渡辺 秀央君 平野 貞夫君
三月二十六日
辞任 補欠選任
高橋 千秋君 羽田雄一郎君
魚住裕一郎君 山本 香苗君
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出席者は左のとおり。
委員長 田村 公平君
理 事
景山俊太郎君
世耕 弘成君
谷川 秀善君
浅尾慶一郎君
伊藤 基隆君
委 員
岩城 光英君
小野 清子君
久世 公堯君
沓掛 哲男君
南野知惠子君
日出 英輔君
森元 恒雄君
山内 俊夫君
高嶋 良充君
内藤 正光君
羽田雄一郎君
松井 孝治君
木庭健太郎君
山本 香苗君
八田ひろ子君
宮本 岳志君
平野 貞夫君
松岡滿壽男君
又市 征治君
国務大臣
総務大臣 片山虎之助君
内閣官房副長官
内閣官房副長官 上野 公成君
副大臣
防衛庁副長官 萩山 教嚴君
総務副大臣 若松 謙維君
大臣政務官
総務大臣政務官 山内 俊夫君
財務大臣政務官 吉田 幸弘君
事務局側
常任委員会専門
員 入内島 修君
政府参考人
総務大臣官房総
括審議官 板倉 敏和君
総務省自治財政
局長 林 省吾君
総務省自治税務
局長 瀧野 欣彌君
厚生労働省雇用
均等・児童家庭
局長 岩田喜美枝君
国土交通大臣官
房審議官 榎本 晶夫君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
(地方財政の拡充強化に関する決議の件)
○恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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<身の丈に合わない公共事業で破たん>
宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
今日、地方財政の危機的な状況が各地で深刻になっております。今日は私の地元、泉佐野市の財政問題について質問したいと思います。
まず、基本的なことについて。関西空港の開港以降、泉佐野市は最近まで地方交付税の不交付団体だったと思います。何年から何年まで不交付団体だったか、お答えいただけますか。
政府参考人(林省吾君) 泉佐野市の交付、不交付の状況についてでございますが、平成七年度から平成十一年度までは不交付団体でありました。平成十二年度に交付団体に転じましたが、平成十三年度におきましては再び不交付団体となっております。
宮本岳志君 空港関連税収が一九九五年で六十三億円、以降毎年七十億円台で推移しております。関空開港以前の泉佐野市の歳入規模というのは大体年間三百五十億ですから、ここに七十億もの空港関連税収がプラスされたと、地方交付税の不交付団体になるのもうなずけるんです。ところが、今正にこの泉佐野市が、大阪でも全国でも最も赤字再建団体に近い市と言われるようになってしまいました。
今日は資料を配っておりますが、資料①は昨年十一月十八日付の朝日新聞です。経常収支比率は、何と泉佐野市が全国最悪の一〇七・四%。つまり、経常一般財源全部を投入しても公債費を含む経常経費が賄えないと、こういう状況です。平成十二年度末の市の会計全体で借金の累積は一千六百七十一億円、市民一人当たり百七十万円、こういう泉佐野市の財政実態について国は承知しておりますか。
政府参考人(林省吾君) 泉佐野市の財政状況につきましては、実は私どももいろいろ心配をしながら御相談にあずかっているところでございます。
この泉佐野市の財政状況、平成十一年度決算におきまして実質収支が三億九千五百万円の赤字に転じたわけでありますが、平成十二年度決算におきましても二十七億九千万円と、赤字額が更に増大をいたしております。
それからまた、財政構造の弾力性を示すいろいろな指標があるわけでありますが、幾つか御指摘もございましたが、経常収支比率は平成十二年度決算におきましては一〇七・四%と、こういうことになっております。また、起債制限比率も一五・九%ということになっておりまして、公債費の累増等によりまして財政構造が硬直化し、極めて厳しい財政状況にあると私どもも認識をいたしております。
なお、このような厳しい財政状況を踏まえて、泉佐野市におかれましては、自主的な行財政改革の推進計画を定められておりまして、定員管理、あるいは給与の適正化、事務事業の見直し等を進めて財政運営の健全化に取り組んでおられるとお聞きをいたしております。
宮本岳志君 この理由なんですけれども、私は理由ははっきりしていると。関西空港のインパクトを生かした町づくり、これを最大のスローガンにして、身の丈に合わない巨大な公共事業にのめり込んできたことが最大の要因だと思います。
その一つが、今日資料②に付けた総合文化センターというものです。総工費三百億円、世界への情報発信の拠点、世界の玄関口にふさわしい日本一の施設をとこう言って、大ホール千四百席、三百二十一平米のレセプションホール、茶室からハードディスクレコーディング装置まで備えた音楽スタジオまであるという超豪華なホールセンターを造りました。
もう一つは、市民病院の移改築です。府企業局が関空関連事業として進め、今ではこれも完全に破綻したりんくうタウンに二百八十億円掛けて市民病院を移築いたしました。総事業費二百八十億円のうち二百五十億は地方債で資金調達。幾ら関空からの税収があるといっても、せいぜい年間四百億の予算規模の市が、主に借金に頼って二つで六百億の事業、大臣、大臣、こんな事業をやったら財政破綻は当然だと私は思いますけれども、そう思われますか。
国務大臣(片山虎之助君) 実情を私も必ずしも詳しく存じ上げませんから余り軽々に発言できませんが、それは市長さんなり市議会、皆さんが、やっぱりりんくうタウンということですか、そういうことで頑張っておやりになったと、こういうことだろうと思いますけれども、しかし結果がこういうことで、例えば、りんくうタウンというんですか、そこへの企業立地等が当初の見込みよりは大幅に状況が変わっていると、いろんな状況ではないでしょうかね。そういう感じがいたします。
宮本岳志君 我が党は、もちろん市民ホールや市民病院を不必要だと言っているんじゃないんです。全く身の丈に合っていないということを特に強調したい、指摘したいと思います。
<大阪駅前並みの規模の再開発を計画>
宮本岳志君 もう一つ例を挙げさせていただきます。異常な市街地再開発計画なんです。
泉佐野の再開発計画は、一九八二年に基本計画が策定されております。八五年、駅の東側に当たる駅上地区の準備組合が結成されて再開発が具体的に動き始めました。駅上東地区は八七年、駅上西地区は八九年に都市計画決定、そのほか駅前地区とか市場地区とか続々と続くんですが、ややこしいので今日は資料③に年表にして付けさせていただきました。八二年から九三年に掛けてこうしてずっと計画決定されてきたわけですね。
それで、これらの計画が進むにつれて一体どんなことが起こったかと。それを下に実は付けておいたんです。
一九八二年、当初の基本計画では、これは十四階建てと十二階建ての二つのビルで床面積は約七万八千平米。それが八七年には十万平米を超えます。八八年には十三万。九〇年には二十四階建て三つに十七階建て一つ。九二年には市場地区というのが加わって、ついに二十四階建てが三つに二十二階建てが二つ、十七階建てが一つ、実に床面積は三十一万七千九百八平米。八二年から九二年のこの十年間に、ちょうど床面積、これ四倍に膨れ上がったというのがこの泉佐野の駅前の再開発の実態なんですよ。
大臣、こんな計画が本当に成り立つと、そうお感じになりますか、大臣。
国務大臣(片山虎之助君) 何度も申し上げますが、実情がよく、私はそれほど承知いたしておりませんので、しかしこれはちょうどバブルのときですね。バブルの発生する前からバブルの絶頂期、こういう計画になったんだろうと思いますけれども、それはその当時はそういう見込みがあったんでしょうけれども、状況が大きく変わったということじゃないでしょうかね。
宮本岳志君 これは、実はその後も膨れ上がって、関空開港の時点の構想では、構想という段階ですけれども、一番下に付けた、二十四階建て五つなど計九本のビルで四十四万四千平米というとてつもない計画にまで膨れ上がるんです。こんな計画は成り立つわけはないんです。
大阪府下で過去一つの駅前に駅前再開発によって三十万平米以上の床が供給されたというのは、人口二百六十万人を超える大阪市の南北の玄関口、大阪駅前と天王寺駅前、この二つなんです。人口十万人にも満たない泉佐野にこんな計画が成り立つわけはないんですよ。結果は、今もこの場所には広大な空き地が残されております。これは一例なんです。泉佐野の財政破綻が空港関連事業にのめり込んだ結果であることはもはや明瞭です。
これ以外にも、泉佐野コスモポリスの破綻処理に十三億八千万。最近も、大阪府と共同出資している第三セクター泉佐野ウォーターフロントが破綻して民事再生法の適用を申請いたしました。
これらは、この間、国と府が一体になって振りまいてきた、関空ができればすべてはうまくいく、こういう幻想がこういう結果を招いたのではないのかと、私は率直にそう思うんですけれども、大臣、それはそういうふうにお受け止めになりませんか。
国務大臣(片山虎之助君) 幻想だけではないんでしょうけれどもね。それは、それなりの手続を踏み、議論してこういう事業をやってきたと思いますけれども、状況が大幅に違って見込みが相当狂ったと、こういうことではないでしょうか。
宮本岳志君 私は、これ、国がこのことにやっぱり責任の一端を持っているということはもう明瞭だと思うんです。この泉佐野の事業だって、国や府があおってきたという事実は動かし難いんですよ。
もちろん、泉佐野市の責任はありますよ。市議会では、我が党はこういうやり方に一貫して反対してきましたけれども、しかし、正に大阪ではオール与党というような状況で、すべてを関空に懸けるような事業を進めてきたんです。また、本来必要性のある事業についても全く身の丈に合わないような規模に膨れ上がらせてきたんです。しかし、国の責任も免れないことも明瞭です。
<国の計画に基づいて進めた再開発事業>
宮本岳志君 ここに私持ってきたのは、関西国際空港関係閣僚会議が昭和六十年十二月十日に決定した関西国際空港関連施設整備大綱です。
これは、今日は国土交通省に来ていただいていますけれども、この国が決定した整備大綱の五、「市街地開発」には何と書いてありますか。
政府参考人(榎本晶夫君) ただいま御質問の関西国際空港関連施設整備大綱でございますが、関西国際空港の機能を十分に発揮させるため、空港の立地に伴いまして必要になります関連施設を空港施設の進捗状況に対応して計画的に整備すべく取りまとめたものでございまして、当時の関西国際空港関係閣僚会議で決定をされております。
この大綱の第五、「市街地開発」には、「空港へのアクセス交通の円滑を図るため、大阪市湊町工区、和歌山県和歌山東地区の土地区画整理及び大阪府泉佐野駅上地区の市街地再開発を進める。」とされております。
宮本岳志君 ここにちゃんと泉佐野の駅上地区の市街地開発を進めると定めて進めてきているわけですよ。昭和六十年というのは、つまり八五年、私の配付した資料の③の年表を見てもらえば、八五年に駅上東地区の準備組合が結成されて具体的に動き出していると。ちゃんと国で決めて進めてきた事業なんですよ。
だから、こういうことを国もやっぱりかかわって進めてきたということは、これは認めざるを得ないと思うんですが、大臣、これはお認めになっていただけますね。
国務大臣(片山虎之助君) それはかかわってきたんでしょうね、かかわってきたことは。
宮本岳志君 たったそれだけですか。
国務大臣(片山虎之助君) そうですよ。
宮本岳志君 しかし、その責任の一端はあるということはお認めになりますか。
国務大臣(片山虎之助君) 最終的には、事業をやるかというのはそれぞれの事業主体が自分の選択と判断で決めるんで、それは恐らく市なりこの組合なりですか、再開発組合か何か知りませんが、そこでは議論をしてそれなりのお考えで決めてきたと思いますよ。
だから、それはもちろん関係がないとは言えません。かかわり合ったという意味では国や府もありますけれども、しかし最終の責任はそれぞれの当事者だと。そうでなきゃ、地方自治だとか自立だとか自己責任なんというのはなくなっちゃう、みんな人のせいだということでは。決める人の責任ですよ。
宮本岳志君 それは、実際に泉佐野の今現状というのは冒頭述べたような深刻な事態なんですから、それに対してやはりその責任が問われるということを私は指摘しているわけですよ。
ちょっと議論の切り口変えますが、国との太いパイプ論というのがございます。
与党議員の皆さんは、地方選挙、特に首長選挙でよくそういうことをおっしゃいます。この泉佐野市というのは、私が住んでいる岸和田市などとは違って、正にそういう方がおっしゃる国との太いパイプにずっと結ばれてきた自治体であります。国の言うとおりに関空事業に協力をしてきました。その結果がこの事態なんです。そして、大阪府も今ではこの国との太いパイプでやっておられます。関空事業は国との太いパイプの下に進めてきたのではないのかと。
そして、そのパイプは大阪に、泉佐野に何をもたらしたかといえば、大阪府も財政破綻ですよ、泉佐野市も財政破綻ですよ。どうですか、そういうことになっているということはお認めになられますか。
政府参考人(林省吾君) 大阪府なり泉佐野市を含めました周辺市町村、それぞれ将来計画を作られまして市街地の整備あるいは地域の発展のための各種の施策をやってこられたと思います。
もちろん、当時は、例えば泉佐野市の場合、お聞きをしておりますと、市税収入、昭和六十一年度には九十五億円ぐらいでございましたが、平成十二年度には二百十六億円と約二倍に伸びると、こういう情勢下でのそれぞれ関係者の発展計画だったと思います。
残念なことに、その後の経済情勢、大きな変動があり予期できぬような企業の動きもございまして、今日、大変厳しい財政状況になっていると私ども考えております。もちろん、関係者はそういう財政状況にかんがみまして行財政改革に熱心に今取り組んでおられるところでございまして、私どもそのような動きを地方財政措置等を通じまして御支援をしながら、いっときも早い健全化に向けての努力を促してまいりたいと、こう考えております。
<「国とのパイプ」論を総務省は否定>
宮本岳志君 ちょっと念のために、この問題にかかわって総務省に聞いておきたいことがあるんです。国との太いパイプなどが語られるときに、あたかも首長の政治的立場によって地方自治体に国からもたらされる交付税や補助金などに差があるかのような説明を耳にすることがございます。本当にそのようなことはあるんですか、総務省。
政府参考人(林省吾君) 国から地方団体に交付されます財政資金には様々なものがございます。そのすべてについてもちろん私お答えはできませんが、地方交付税について申し上げさせていただきますならば、その算定は地方交付税法及びこれに基づく総務省令等の定めるところによりまして財政需要等に基づき公平に行われているものでありまして、政治的な立場によって左右されるようなことはないと考えております。左右されることはございません。
また、各種の国庫補助金等につきましては、直接所管しておりませんが、各省庁におきましては、地方団体からの申請、要望を踏まえて補助金等の趣旨、目的に照らして配分が行われているものと考えているところでございます。
宮本岳志君 それは当然のことだというふうに思います。
では次に、それでは不幸にしてそういう破綻状況になったと。それでは少しは反省してかじを切り直しているかということをお伺いしたい。
関西空港二期事業は依然として続けられております。財政破綻寸前の泉佐野市も大阪府も不思議なことにまだ二期事業の推進を国に陳情しているという有様もあります。そして、今正に審議されている平成十四年度の予算にもこの予算は組まれたままであります。平成十一年十月に国が公表した関西国際空港を活用した広域国際交流圏整備計画、そういうものも新たに作られています。もちろん内容は昭和六十年のものとは変わっておりますけれども、この中身を見ても、やっぱり依然として空港インパクトの活用という議論を繰り返しているわけですね。
大臣、いつになったらこのかじを切り直して、やっぱり財政再建ということを第一に考えていくのかと。依然としてこういう方向では私は問題だと思うんですけれども、これは大臣、いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) それは、空港の近所だから空港を利用しない手はありませんよね。ただ、それは適正に見込んで適正に利用しないと。過度に幻想的なことはいけませんね。
そういう意味では、お聞きしますと、市長さんもお替わりになったようだし、今相当、改革の努力、財政再建の努力をされているようですから、そういう意味では宮本委員言われるかじをかなり変えたんじゃないですか。
<市民サービス切り捨てを国が「通知」>
宮本岳志君 では、今進められようとしている財政再建策というのはどういうものか御存じですか。私、それも調べてきましたよ。学校給食の民間委託、保育所の民営化など、福祉、医療、教育の徹底した切捨て、そして幼稚園の保育料の値上げ、駐輪場の値上げ、手当たり次第の公共料金の値上げなんですよ。しかも、これもあなた方の指示の下にやっていることだと言わざるを得ません。
昨年四月二十日付けの総務事務次官の財政運営通知には、「行政改革の推進」という項を起こして、事細かに通知しております。自治体職員の定員は数値目標を持って削り込め、民間委託を推進せよ、職員給与をもっと下げろ、地方公営企業の料金は受益者負担の適正な徴収を行えと、ずっと並んでおります。その一方で、投資的経費に係る地方単独事業については、前年比減額しているが、地方団体の予算における地方単独事業費の減額を想定したものでないことに留意されたい、必要な事業量の確保に積極的に取り組まれたいと。つまり、投資的経費に係る地方単独事業については減らしてくれるなという一文まで付いております。
正に今、泉佐野市でやられようとしているのは、この通知で言われている方向でやられようとしているわけですよ。国との太いパイプというけれども、国との太いパイプの下で、財政再建というのは、つまり大規模開発温存、市民サービスの切捨てということではないんですか。
政府参考人(林省吾君) 現下の地方財政、それぞれの団体にとりまして大変厳しい状況にあると思います。したがいまして、バランス良くやっておられる団体は、当然この状況を踏まえまして、行革に熱心に取り組みながら、しかし元気がなくなっては困りますから、地域の実情に応じて地域の活性化を図るための施策も併せて行う、こういうかじ取りをやっておられる団体が大半だろうと思います。
ただ、その中には財政が、御指摘の泉佐野市のように、大変厳しい状況にある団体もございます。経常収支比率が全国最上位というようなことからしましても財政の硬直化は相当進んでいるわけでありまして、そういう団体におかれましては、やはりそのうちの財政の再建を第一の重要課題として取り組んでいただく必要があるんだろうと思っております。
また、財政の再建だけでは市民サービスに支障を来す場合もありますから、それを併せて、地域の活力を維持しながら住民サービスの低下を招かないような工夫もされながらやるわけでありまして、それぞれに当事者として市町村は御苦労をされながら再建と地域の振興に努力されているものと考えております。
宮本岳志君 実は、先日、ある会合でこの泉佐野市の市長とお会いをいたしました。我が党はこの市長の与党ではございません。しかし、実は市長は私の高校の先輩でございまして、面識はございます。市長は私に、国も府ももっと地方財政の窮状を理解してほしいと率直に語っておられました。
もちろん、一方で泉佐野市の新年度予算案を見せていただいても、一般会計で投資的事業である普通建設事業費が補助事業と単独事業を合わせれば前年度比で約三・三倍、三十億円に達していると、これまた理解し難い。そして同時に、先ほどの事務次官通知のとおりになっているという面もあるわけですね。しかし、これらが国家プロジェクトを進めるんだといううたい文句で、やはりこの地域で関空のインパクトを町づくりに生かすというやり方で進められてきた財政困難であるということは間違いないと思うんですよ。
私は、そういう点で国の責任というのはしっかりと受け止めてもらわなきゃならないし、こういう自治体の財政状況について市民サービスを切り捨てることなくしっかり財政再建の道を付けていく、これはやっぱり国の責任でもあり総務省の責任でもあると思うんですが、大臣に最後にその決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) 今、財政再建のためのいろんな努力をやっているんですよ、泉佐野市は。これは国も地方も皆やっているんですよ、今、日本じゅうが。そういう中で、私は、泉佐野は今までの経緯もあるからもっとやってもらう。それは必要だし、そういう努力については市民が決めるんですよ、最終的には。公共料金を上げるのはけしからぬ、民営化はけしからぬ、委託はけしからぬと、それは市民が決めるんですよ。それは市民が選んだ市長さんがそういう方針を出して、市議会が認めて、市民が支持してやっているので、それは今後とも自主的なそういう判断の下に大いなる財政再建をやっていただきたい、こういうふうに思っております。
宮本岳志君 ここの案は市議会でも否決をされたということを申し上げて、質問を終わります。