155 – 参 – 総務委員会 – 5号 平成14年11月14日
平成十四年十一月十四日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
十一月十三日
辞任 補欠選任
木庭健太郎君 加藤 修一君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 山崎 力君
理 事
景山俊太郎君
世耕 弘成君
山内 俊夫君
伊藤 基隆君
高橋 千秋君
委 員
泉 信也君
小野 清子君
加藤 紀文君
岸 宏一君
久世 公堯君
椎名 一保君
谷川 秀善君
森元 恒雄君
輿石 東君
高嶋 良充君
辻 泰弘君
内藤 正光君
加藤 修一君
山下 栄一君
八田ひろ子君
宮本 岳志君
渡辺 秀央君
又市 征治君
国務大臣
総務大臣 片山虎之助君
副大臣
内閣府副大臣 根本 匠君
総務副大臣 若松 謙維君
政府特別補佐人
人事院総裁 中島 忠能君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官
兼行政改革推進
事務局公務員制
度等改革推進室
長 春田 謙君
内閣法制局第三
部長 梶田信一郎君
人事院事務総局
勤務条件局長 大村 厚至君
総務省人事・恩
給局長 久山 慎一君
総務省自治財政
局長 林 省吾君
財務省主計局次
長 杉本 和行君
厚生労働大臣官
房審議官 青木 豊君
厚生労働省政策
統括官 青木 功君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年
日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措
置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○行政手続等における情報通信の技術の利用に関
する法律案(第百五十四回国会内閣提出)(継
続案件)
○行政手続等における情報通信の技術の利用に関
する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関す
る法律案(第百五十四回国会内閣提出)(継続
案件)
○電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関す
る法律案(第百五十四回国会内閣提出)(継続
案件)
─────────────
<際限のない賃下げの悪循環につながる>
宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております一般職給与法等の改正案に反対、特別職給与法等の改正案には賛成の討論を行うものです。
一般職給与法改正案に反対する理由の第一は、これが小泉内閣のゼネコン奉仕の無駄な公共事業など財政赤字の根源には一切手を付けないままで、国民にだけ痛みを強いている逆立ち政治の一環だからです。
今、小泉内閣が社会保障分野で進めている三兆円の負担増、国民と中小企業への増税計画によって、長引く不況は一段と深刻さを増し、全くその出口すら見えないという状況になっています。そこへ更にこの公務員給与の引下げを押し付けることは、人事院が公式に認める七百四十万人ばかりでなく、年金受給者や民間企業の賃金水準にも波及するものであり、これによってGDPが〇・一から〇・二%押し下げられるという試算も示されています。国民の消費の拡大による不況の打開が痛切に求められているときに、このような大規模な給与所得の減少が日本経済に取り返しの付かない結果をもたらすことは明らかではありませんか。それにもかかわらず、あえてこれを強行しようとしている小泉内閣には日本経済のかじ取りをする資格も能力もないと言わなくてはなりません。
反対理由の第二は、これが国家公務員、地方公務員の生活向上の願いに背くばかりではなく、既に述べたように広範な国民の所得の低下をもたらすからです。公務員給与が下がっているという事実が広範な民間企業の賃金水準に波及すれば、それは更に後の年度の官民比較調査に反映することにもなり、昨今の経済環境の下では、公務と民間の際限のない賃下げの悪循環をもたらしかねないものです。
日本共産党は、公務員労働者の生活を守る立場からも、国民全体の所得の向上を目指す立場からも、このような賃金抑制政策を容認することはできません。
<不利益変更の遡及措置は看過できない>
宮本岳志君 反対理由の第三は、これまでの支給済みの給与の民間との較差分を十二月期末手当から差し引くという調整の手法が不利益不遡及の原則に触れる脱法行為だからです。この問題は、法律論としても重大であるばかりでなく、人事院制度の根幹にかかわる原理原則が問われる問題でもあり、到底看過できないものです。
なお、特別職の給与は一般職に比べて高額の水準にあり、従来からこれ以上の引上げには反対との態度を取ってきました。その経緯を踏まえて、法案には賛成するものですが、事実上の不利益の遡及となる措置には同意できないことを明確にしておきます。
民主党及び社民党提出の修正案は、問題の十二月期末手当による調整を削除するものですが、来年三月末を期限として年間の官民較差の均衡を図るために必要な措置を講ずることを政府に義務付けるものであり、厳密には不利益変更の遡及がなくならないものです。しかし、この点について労使で話し合う場を設けることの意義は認められるため、あえて反対はいたしません。
最後に、今後も日本共産党は、国民本位の公務員制度の確立と、公務員が安心して働ける労働環境の実現、公務員の生活の擁護のために努力を続けることを申し添えて、討論といたします。