156 – 参 – 総務委員会 – 19号 平成15年07月01日
平成十五年七月一日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
六月十日
辞任 補欠選任
森元 恒雄君 片山虎之助君
山根 隆治君 内藤 正光君
六月十一日
辞任 補欠選任
片山虎之助君 森元 恒雄君
六月十二日
辞任 補欠選任
宮本 岳志君 市田 忠義君
六月十三日
辞任 補欠選任
市田 忠義君 宮本 岳志君
六月二十五日
辞任 補欠選任
八田ひろ子君 市田 忠義君
六月二十六日
辞任 補欠選任
市田 忠義君 八田ひろ子君
七月一日
辞任 補欠選任
泉 信也君 山下 英利君
小野 清子君 愛知 治郎君
輿石 東君 小林 元君
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出席者は左のとおり。
委員長 山崎 力君
理 事
景山俊太郎君
世耕 弘成君
山内 俊夫君
伊藤 基隆君
高橋 千秋君
委 員
愛知 治郎君
泉 信也君
小野 清子君
加藤 紀文君
岸 宏一君
久世 公堯君
椎名 一保君
谷川 秀善君
森元 恒雄君
山下 英利君
小林 元君
輿石 東君
高嶋 良充君
辻 泰弘君
内藤 正光君
木庭健太郎君
山下 栄一君
八田ひろ子君
宮本 岳志君
松岡滿壽男君
渡辺 秀央君
又市 征治君
衆議院議員
総務委員長 遠藤 武彦君
総務委員長代理 林 幹雄君
国務大臣
総務大臣 片山虎之助君
副大臣
総務副大臣 若松 謙維君
政府特別補佐人
人事院総裁 中島 忠能君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君
政府参考人
総務大臣官房長 瀧野 欣彌君
総務省行政管理
局長 松田 隆利君
総務省自治行政
局長 畠中誠二郎君
総務省自治行政
局公務員部長 森 清君
総務省自治財政
局長 林 省吾君
総務省政策統括
官 大野 慎一君
消防庁長官 石井 隆一君
文部科学大臣官
房審議官 木谷 雅人君
文部科学省初等
中等教育局長 矢野 重典君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 上田 茂君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方独立行政法人法案(内閣提出、衆議院送付
)
○地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整
備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正
する法律案(衆議院提出)
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<条件のないところに市政を布く不合理>
宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
この法案は、合併後の人口が三万人以上であれば市となれるという期限措置の期限を、一年間延長して来年度末までとするものです。そもそも、地方自治法第八条には、市制を行うための四つの要件が明記されています。そのうち、人口五万人以上という条件は、市が町村と比べて重要な事務を処理するという趣旨から、市の要件としてふさわしい人口規模を有するという必要性から設けられたものです。また、市となる地域が都市的形態を備えているかどうかを認めるための要件として、連檐要件や都市的業態要件が設けられています。前回の法改正時、自治省の中川行政局長は、これら四要件は市の要件として必要であり、当面は維持すべきものだとの認識を示しました。
そうであるならば、この特例措置は、市制をしくための条件のない地域にあえて市を作ることにほかなりません。それにもかかわらず、一定の期間を限って、しかも合併自治体についてだけ要件緩和を行うことに何の合理性もありません。このような措置の期限延長は、合併推進のためなら何でもありというモラルハザードを一層拡大し、地方自治制度に混乱をもたらすものでしかありません。
この法案に反対する理由の第一は、市制要件の緩和が国による市町村への合併の押し付けのためのあめとむちの一環だからです。
二〇〇〇年十二月の国の行革大綱に千を目標という数値目標が明記されて以来、自主的であるべき市町村の合併が政府主導で上から強引に進められてきました。目標達成のために交付税の段階補正の見直しや市町村に対する知事の勧告権、あるいは議員の定数、任期の特例や合併後の交付税の補償など、様々なあめとむちが用意されてきました。その一環として、新たな補助金は創設しないとの政府自身の方針に反して、新たに合併補助金が創設されました。また、今日の地方財政危機の主要な要因の一つが償還資金を交付税で手当てするとの約束で地方に公共事業のための借金をさせる手法にあったことを政府自身が認めざるを得なくなっているにもかかわらず、合併促進のためにはまたしても同様の手法による公共事業が動員されています。合併促進のためには、正に政府自身がモラルハザードに陥っていると言わなくてはなりません。
しかも、三万人特例の期限が合併特例法本体の期限より一年前とされたのは、そうでないと合併促進のインセンティブが働かないとの理由からでありました。その期限が切れる今になって一年延長するのでは、自治体関係者を合併に追い立てるためにその場しのぎの説明で欺いたものとの批判を免れないではありませんか。
<住民と自治体に新たな負担を強いる>
宮本岳志君 反対理由の第二は、この三万人特例の実施が住民と自治体に新たな財政負担をもたらしているからであります。
この特例の最初の適用を受けて一昨年四月一日に誕生した潮来市は、福祉・保健サービスの向上と行財政の効率化・基盤強化を合併に当たってのうたい文句にしていました。しかし、現実には、合併による公共事業が急増する一方、地方交付税は合併後の二年間で約六億円も減少。この結果、二〇〇三年度の予算編成に当たっては財政破綻の直前にあることを表明せざるを得なくなっています。市当局は、この財政危機の乗り切りのために、国保税や保育料の引上げ、人間ドック助成の廃止など、住民への負担増の押し付けとサービスの切捨てを計画しているばかりでなく、財政力の強化のためと称して新たな合併を視野に入れざるを得ない事態にまで立ち至っているのであります。
第三の反対理由は、これが地方自治制度の不整合と混乱を拡大することになるからであります。
どのような規模と形態の自治体を市にするかは、正に地方自治制度の根幹の一つとも言うべきものであります。それにもかかわらず、現在、人口が六千人に満たない歌志内市を始め七十三の市が人口三万人を満たしていない現実があります。一方で、人口三万人を超える百十八の町村が存在するという実態もあります。こうした制度の基本の検討や実態との調整こそ必要となっているにもかかわらず、これを合併促進のための手段としてのみ扱うことは、まじめに地方自治制度の拡充に取り組む姿勢に欠けるものと言わざるを得ません。
最後に、本法案の審議に関連して一言述べます。
法案が衆議院総務委員長から提出されたものであっても、本委員会にとっては衆議院から送付された法案であることには何の違いもありません。また、我が党はこの法案には反対であり、委員長提案ではなく議員提出法案とするよう、衆議院でも主張していたのであります。それにもかかわらず、質疑を行うことなく、討論、採決が行われようとしていることに強く抗議するものです。
また、人口三万人要件の一年間延長という内容も、片山総務大臣が五月八日の経済財政諮問会議に提出した市町村合併推進プランに沿ったものです。政府が意図するものを国会の機関である委員長が代わって法案提出することは、立法府の見識が問われるものであることを指摘して、討論を終わります。