151国会宮本議員の論戦
2001年の通常国会。3月と5月の2回にわたって追及した「ぐるみ選挙」の追及で委員会に提出した資料は、その後複数の週刊誌で使われるなど、反響を広げた。さらに参議院選挙後明らかになった高祖派選挙違反事件は、この質問での宮本議員の指摘の正しさを裏付けることとなった。
3月と6月に追及した地上波テレビのデジタル化問題では、政府が提出した法案が従来のアナログ方式での放送を2011年に強制的に停波するものであることを指摘。「2011以後はテレビが映らなくなるとの脅しで、国民に受像器の買い換えを強制するもの」と厳しく批判した。その後、自民党の総務部会長が、この問題への「反省」を週刊誌上で表明。03年には社民党、民主党の議員も、デジタル化計画の見直しを求める質問をするなど、この時の宮本議員の指摘の正しさが明らかになっている。
他に、郵便局の過不足金問題を取り上げた5月の質問、危険物の陸上輸送に国連基準での表示の義務化を求めた質問。民営化後のNTTによる海外投資の失敗を追及した6月の質問など。
153国会宮本議員の論戦
2001年秋の臨時国会。「ぐるみ選挙」の責任をとって辞職した高祖議員の事件を受け、政府の進めている公社化が、こうした問題の防止になんら役立たないものとなっていることを示した10月の質問。情報公開制度の発足直前に、疑惑が指摘されている「渡切費」の資料を大量に廃棄するなど、郵政事業庁の「情報公開」の実態を追及した11月の質問など。
154国会宮本議員の論戦
郵政事業公社化4法案についての論戦が最大のヤマ。3月には、三種四種郵便の問題を予算委員会で提起。7月の本会議では、この公社化が民営化への一里塚という首相の発言を追及。総務委員会での四法案の審議では、郵政公社の過小資本問題やファミリー企業への天下りを追及した。
地方自治法の改正については、憲法調査会公聴会と総務委の参考人質問でも発言。政府への質問が、住民訴訟制度の「再構成」の名で提案されている改正が、直接職員の責任を追及できるという重要な部分の事実上の廃止に他ならないことを明らかにした。
他に、1月の予算委で行ったBSE問題で農水大臣の責任追及。3月の総務委員会では、NTTの内部文書を示して違法なリストラの手口を告発した質問や、一部の地方自治体の財政破たんへの国の責任を追及した質問など。憲法調査会でも4回発言。
155国会宮本議員の論戦
2002年秋の臨時国会。住民基本台帳ネットワークの問題点を告発した2回の質問と、地方公務員の労災認定についての基金本部の姿勢を追及した質問、関係者の運動と連携した取り組みが実を結んだ、郵便局の過不足金問題についての質問など。
156国会宮本議員の論戦
2003年の通常国会。圧巻は5月の中下旬、「警察・武富士疑惑」が大問題になった個人情報特別委員会での、4回の対政府質問と2回の総理への質疑。この追及によって、警察内部の調査と国会への報告を約束させた。
他に、4兆円の国民負担増で小泉首相を追及した1月の本会議質問。市町村合併と地方財政の危機を取り上げた3月の2回の質問。簡保資金の株式運用による損失の責任を追及した4月の質問など。3月のNHK予算審議で幹部の関連会社への天下りを追及した質問は「週刊女性」で報じられた。憲法調査会での発言も3回。
分野別の主な論戦ひとくち紹介
放送関係
地上波テレビ方向のデジタル化問題や、テレビ番組への字幕付与など聴覚障害者への情報保障、電波管理と放送行政を担う機関のあり方など。
NTT関係
NTTの不当・違法なリストラを厳しく告発した一連の論陣や、国民本位の通信料金政策の提起、皮相な「IT革命」に対置して情報技術を民主主義の発展に生かす見地を示した論戦など。
郵政関係
高祖参議院議員の辞職につながった郵政「ぐるみ選挙」の追及や、郵政官僚のファミリー企業への天下り、営業ノルマでの自腹切りの押しつけ、過不足金の個人弁済の強制など、郵政の職場に関わる問題を多角的に追及。郵政事業の公社化にあたっては、第3種郵便の存続など国民本位の郵政事業を求めて論陣を張った。
自治体関係
地方自治体の税制・財政問題や、地方公務員の勤務条件や災害補償、地方議会の定数問題、住民訴訟制度など。市町村合併の問題については、政府による押しつけを許さない立場からくりかえし厳しく追及。
個人情報保護
IT基本法制定の際の、個人情報保護対策の遅れに警鐘をならした質問など、比較的早くからこの分野の重要性を提起。03年の個人情報保護特別委員会での5法案の審議では、大問題となった警察・武富士問題の議論をリードする一方で、政府の法案の問題点の追及にも力を注いだ。
憲法と平和
02年から03年にかけての、憲法調査会の委員としておこなった憲法第9条擁護の立場からの参考人への質問や意見表明。04年2月には、イラク・テロ特のテレビ中継された総括質問で、小泉総理を追及。全く根拠のない「フセインが大量破壊兵器を持っている」という断定に基づく戦争支持だったことを明らかにし、自衛隊のイラクからの撤退を求めた。